乗車時間短縮でますます便利になる電車でのフランス旅行
2017年7月にフランスの高速鉄道TGVの新たな路線が開通します。これまでは在来線だったル・マン(Le Mans)=レンヌ(Rennes)間とトゥール(Tours)=ボルドー(Bordeaux)の2つの区間がTGVになることにより、フランス旅行の際の移動が大幅に時間短縮できるようになります。
パリ=ボルドー間がわずか2時間で!
トゥール=ボルドー間のTGV開通により、これまで3時間15分かかっていたパリ=ボルドー間の所要時間が最短で2時間4分に短縮されます。ユネスコ世界遺産にも指定されている「月の港」を散策し、2016年にできたばかりのワインの博物館のシテ・ドュ・ヴァン(Cité du vin)でワインを味覚と知覚の両方で楽しむこともより身近になります。
また、トゥールに寄り道してロワール渓谷の古城を観光して、フランスの南西部に旅立つのも良いプランかもしれません。ボルドーだけでなく、ラ・ロシェル(La Rochelle)やトゥールーズ(Toulouse)もそれぞれ最短でパリから2時間26分、4時間10分と両路線で1時間前後の短縮となります。パリから遠く敬遠していた南西部に足を伸ばす良い機会になりそうですね。
*トゥールの駅はTours駅ではなくSt-Pierre-des-Corps駅となります。
パリから日帰りのモン・サン・ミッシェルもより気軽に
フランス西部、特にブルターニュ地方もル・マン=レンヌ間のTGV開通によってパリからアクセスがさらにしやすくなります。それにより、パリからレンヌは最短1時間25分、サン・マロ(Saint-Malo)までは2時間14分で結ばれるようになります。
これにより、パリから日帰りでモン・サン・ミッシェルに行く方にも大きなメリットがあります。下記のレンヌ発のモン・サン・ミッシェル行きバスの時刻表によると、従来はレンヌ発のバスに乗って11時前にモン・サン・ミッシェルに着くためには7時4分のパリ発レンヌ行きのTGVに乗る必要があったのですが、2017年の夏以降は7時40分発で間に合うようになりました。その後の8時14分パリ発のTGVでドル・ドゥ・ブルターニュ(Dol de Bretagne)で乗り換えてモン・サン・ミッシェルに行っても11時10分には現地に着くことができます。早起きが苦手な人には特に朗報ですね。
レンヌ発のモン・サン・ミッシェル行きバスの時刻表(2017年夏スケジュール)
以上、2つの新しいTGV路線によってフランス旅行の選択肢が大きく広がります。一方で、遅延等は日本の新幹線に比べてかなり多く、SNCFの在来線TERも含めストライキもよくあります。色々と行きたいところがあってもフランスの電車事情はなかなか思うようにならないので、その辺りを考慮して時間の余裕を持ってスケジュールを組むと、ストレスが少なくフランス旅行が楽しめるのではないかと思います。