TGVがなくなるという噂の真相はいかに
2017年5月末にフランス国鉄のSNCFは新サービスinOuiを打ち出しました。7月に開通するパリ=ボルドー間の新路線からinOuiのロゴが入った電車が続々と投入されるようです。これは高速鉄道TGVに取って代わるもので、すでに投入されている低価格帯の電車のOuigoよりも質が高いサービスをinOuiは提供するようです。ちなみにフランス語でinouïという「驚くべき」という意味の単語がありそれにかけています。このネーミングは賛否両論で「電車が時間通りに来た、inouïだ!」みたいな辛辣なコメントも見かけました。遅延が多いSNCFなので「ああ、ほんとだな」と頷く方も多いと思いますが(苦笑)
「TGVに乗る」ではなく「InOuiに乗る」という風に世間に定着していくかは未知数ですが、SNCFによるとTGVは車体や車種のことを差し、TGVという呼称が無くなるわけではないそうです。新幹線とのぞみ、ひかり、こだまの違いみたいなもので、前者がTGVで後者がInOui、Ouigoといった感じで考えると分かりやすいかもしれません。既存のTGV車体はそのまま料金の変更追加なしにinOuiとして使われるようにシフトしていくようです。
実際のところInOuiになって何が変わる?
名前の変更の裏には「電車が時間通りに来ない」とか「ストライキが多い」とか悪評が高いそのイメージを変える狙いが見て取れます。特にサービスの質の向上に力を入れているようで、車内や駅で用があればすぐにスタッフに声がかけられるようにしっかりと研修を受けた人員を増員しているようです。
もう一つのinOuiの柱となるのが電車の無料Wifi搭載です。これは通勤者や旅行者にとってもとてもありがたいことだと思います。現状では、乗車中は普通の携帯の電波もよく途切れ、デザリングを使ったネット接続も安定しないので、海外旅行のお供として便利なpocket Wifiでも車内だと活躍が期待できません。その点、Wifiが標準装備となれば、車内で次の旅行先の下調べをしたり、SNSに写真をアップしたりなどが移動中にできるようになり快適な旅が楽しめるようになります。
一部の路線では既存のTGV車体にもすでにWifiの搭載が始まっているようです。実際に著者もパリ=リール間で使ってみましたが、ほとんど途切れることなく快適なネット環境でした。_TGV_CONNECTという回線に接続し、切符やeチケットに記載されている予約番号を入力すれば簡単に使えます。ちょっとしたことですが、乗車時間が長い場合は本当に便利になりますね。
ぜひinOuiで今後改善してほしいこと
個人的によくTGV(今後はinOuiですね)にはよく乗りますが、SNCFにこうしてほしいなということは多々あります。そんな経験を踏まえて、中でもフランス旅行を電車で初めてする方にどうしても知っておいてほしいことがあります。
トイレを使う前に蛇口から水がちゃんと出るか確認しましょう。
えっ?と思うかもしれませんが、故障して水が出ないことが結構あるんです。用を済まして、手を洗おうと思うと水が出ない・・・最悪なのがジェル状の石鹸を手につけてしまっていた場合は洗い流すこともできず・・・
悲劇です。
トイレでそんなinOuiはいらないです。蛇口が使えないならせめて「故障中」の張り紙くらい貼っておいてほしいんですが、いかがでしょうか、SNCFさん?