フランス政府公認ガイドとは?

国家資格制のフランスのガイドの知られざる裏側とは?

フランスにはguide-conférencierという職業があります。日本語ではしばしば「フランス政府公認ガイド」と訳されます。フランス国内で世界遺産に指定されている歴史的建造物や美術館などで有償で観光客や訪問者を案内するには所定の免許が必要で、日本でいうところの通訳案内士にあたります。

日本ではあまり知られていないこの「フランス政府公認ガイド」は普通のガイドと何が違うのでしょうか?

フランス政府公認ガイドになるには?

フランス政府公認ガイド
フランス政府公認ガイド証

以前は自治体ごとに試験を主催していて、ガイドできる範囲もその該当地区のみで何種類かのガイドが混在していましたが、2011年に法律が改正されてからはフランス全国で就業できるguide-conférencierに一本化されました。

フランスではガイドは知識人の職業と考えられていて、文化財(建築、絵画、彫刻など)を解説する知識が要求されます。フランス語でconférencierは講演者という意味で、観光地にとどまらず、例えば美術館などで学芸員の代わりに専門的な絵画や彫刻の解説をするのも仕事の一つだからです。

現在では大学あるいは大学院で1年間所定のコース(夜間のコースの場合は2年間)に通う必要があり、カリキュラムは美術史、歴史、語学など学習内容は多岐にわたります。また母国語以外に2つの外国語が必修になります。大学によってはフランス語手話が組み込まれていることもあります。

もちろん座学だけではなく、実際に外に出て歴史建築物や彫刻、絵画などを前にコメントをする訓練もあります。大学外の文化財に造詣のある有識者が指導を担当することも多く、彼らとともに文化財を的確に解説するための方法論を学びます。

また、ガイドとしての経験を積むためにインターンシップをすることも必須となっており、アカデミックな面とともに実践的な面に重きを置いているのも特徴。常に課題に追われ、心身ともに鍛えられる1年を無事終えると卒業証明がもらえ、それとともに所定の書類を送付することで最寄りの県庁からガイド証が交付されます。

文化財の価値を伝える職業

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フランス旅行の際に、ルーヴル美術館やモン・サン・ミシェルなどのガイド付きツアーなどに参加すると、フランス政府公認ガイドがあなたを出迎えてくれます。こうした現地のオプションのガイドには日本語ガイドや日本語アシスタントなどの色々な表記がありますが、guide-conférencierの場合「フランス政府公認ガイド」と書かれるのが普通です。

こうした現地のガイドはこの「フランス政府公認ガイド」ライセンスを所有していることが前提で、例えばルーヴル美術館やモン・サン・ミッシェル修道院内などを無資格でガイドすることは違法行為となり、見つかれば即時追放となります。それは、ガイドには文化財について正しい知識を有し、的確な解説をすることが求められるため、ガイド証はその質の保証としての国家資格だからこそ提示が義務付けられるとも言えます。世界でも有数の文化財を多く有するフランスだからこそ、その価値を伝える職業であるガイドが重要だからなのです。

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