夏になるとフランス人がブルターニュ地方のサン・マロに行きたくなる理由

多くの観光客が夏に訪れるサン・マロの魅力と見どころとは?

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かつて高潮から守るために立てられた杭が印象的なサン・マロの海岸

フランスの各地域で観光の促進などの活動を行なっているCRT(Comité régional du Tourisme)の調査によると、ニースやマルセイユのあるプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュールと並んで、この夏フランス人が最もバカンスを過ごしたい地域に同率で選ばれたのがブルターニュ地方でした。特にパリやその近郊のフランス人からの支持が高く(75%)、これはパリからも近く7月からはTGVの新路線のおかげでブルターニュがさらに行きやすくなることも後押ししていると思われます(今年の7月からパリ=サン・マロ間は42分短縮の2時間14分になりました)。そして、数あるブルターニュ地方の都市の中で国内外の多くの観光客で賑わうのがサン・マロなのです。

大航海時代に栄華を誇った港町

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海から見たサン・マロ

どうして、サン・マロは人を魅了するのか?一番の理由は何と言っても海を取り巻く絵画のような景色でしょう。サン・マロの目の前に広がるエメラルド海岸は、晴れた日に太陽の光に照らされると宝石のような輝きを見せます。その海を舞台に今も語られる歴史は数知れず、城壁に囲まれた旧市街の姿には海事によって栄華を誇ったかつての姿が反映されています。

ローマ時代に起源を持つ港町であるサン・マロはかつては船でしか近づけない海上の要塞でした。この歴史ある港を旅立っていた者たちの中にはジャック・カルティエ(Jacques Quartier)の姿もありました。当時のフランス国王フランソワ1世(François 1er)の命のもと、彼は16世紀前半にサン・マロの港から3度にわたる北米の探索を行いました。これが後にカナダのケベック州がフランスの植民地になるきっかけとなり、現在でもカナダのフランス語圏の街であるモントリオールなどには彼の名前が残されているのはそのためでもあります。

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サン・マロの城壁にあるジャック・カルティエ像

サン・マロからカナダに旅立ったのはカルティエだけではありません。サン・マロは16世紀から17世紀にかけてはカナダの東海岸にあるニューファンドランド島沖の豊かな漁場として知られるグランドバンクでの遠洋漁業への出発地として栄えました。当時は毎年40から80の漁船が出航し、数ヶ月後には大量のタラを積んで帰港していました。18世紀になってもこの流れは続き、漁港としてのサン・マロの商業的かつ経済的な成功は街の繁栄と人口の増加に大きく寄与しました。

サン・マロの海を語る時にもう一つ忘れてはならないのがコルセール(Corsaire)です。国によって敵船の積み荷を合法的に押収することが許可されている彼らは、国が戦争状態に入った時は私兵として国軍と同じように戦争に参加しました。18世紀にフランスでその名声を確かにした街はやがて「コルセールの巣」と呼ばれるようになったのです。ちなみに、勘違いしやすいのですが彼らは海賊ではありません。敵船から「略奪」するのではなく合法的に「押収」するからです。特にサン・マロの住民はこのニュアンスに敏感なのでご注意を!

サンマロガイドツアー

新鮮な海鮮料理を食べられるグルメの街サン・マロ

サン・マロは知的好奇心はもちろん食欲を満たすのにも苦労はしません。ブルターニュ地方の海岸沿いの街がフランス人のバカンス地として人気なのは、夏になるとリッチな気分に浸るために新鮮な魚介類を食べたいという気持ちからなのかもしれません。夏から旬になる有名なブショーのムール貝だけでなく、貝類、カニ、海老、牡蠣、魚など豊富な海の幸が集うサン・マロはそんなニーズにしっかり応えています。

もちろん、ブルターニュ地方の名物のガレットやクレープやサン・マロの名物とも言えるボルディエのバターを使った料理も忘れてはいけません。街の旧市街には多くのレストランがあり、夜遅くまで賑わいを見せます。色々と魅力的な選択肢がありすぎて、何を食べるか迷うのがこの街の問題点ですね。

ブルターニュに来たらサン・マロへ!

素晴らしい景色、海のロマン溢れる歴史、枚挙にいとまがないグルメの数々。裕福なフランス人たちが夏のバカンスを過ごすために別荘をサン・マロに持っているのも頷けます。もし皆さんがサン・マロを訪れるなら少なくともぜひ1泊して街の魅力を感じてみてください。帰る頃には好奇心から自然と不動産屋の物件案内に目が向いているはずですよ。

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夕焼けに染まるサン・マロの海岸
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