夏になるとフランス人がブルターニュ地方のサン・マロに行きたくなる理由

多くの観光客が夏に訪れるサン・マロの魅力と見どころとは?

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かつて高潮から守るために立てられた杭が印象的なサン・マロの海岸

こんにちは。フランス政府公認ガイドの濵口謙司(@tourismjaponais)です。

フランスの夏のバカンス先として人気が高いのがブルターニュ地方。フランスの各地域で観光の促進などの活動を行なっているCRT(Comité régional du Tourisme)の調査によると、2017年の夏フランス人が最もバカンスを過ごしたい地域にブルターニュ地方でした。ちなみに、これは世界的に知名度の高いニースやマルセイユのあるプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュールと並んで同率でした。

内訳を見てみると、パリやその近郊のフランス人からは75%と支持が高いのが分かります。これはパリからも近く、さらにはTGVの新路線のおかげでブルターニュが近くなったことが理由として考えられます(2017年7月からパリ=サン・マロ間は42分短縮の2時間14分になりました)。

そんなブルターニュ地方の都市の中で国内外の多くの観光客で賑わうのがサン・マロです。

大航海時代に栄華を誇った港町

どうして、サン・マロは人を魅了するのでしょうか?

一番の理由は、何と言っても海を取り巻く絵画のような景色でしょう。サン・マロの目の前に広がるエメラルド海岸は、晴れた日に太陽の光に照らされると宝石のような輝きを見せます。その海を舞台に今も語られる歴史は数知れず、城壁に囲まれた旧市街の姿には、海事によって栄華を誇ったかつての面影が今も残っています。

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海から見たサン・マロ

ローマ時代に起源を持つ港町であるサン・マロはかつては船でしか近づけない海上の要塞でした。この歴史ある港を旅立っていた者たちの中には、ジャック・カルティエ(Jacques Quartier)の姿もありました。

当時のフランス国王フランソワ1世(François 1er)の命のもと、彼は16世紀前半にサン・マロの港から3度にわたる北米の探索を行いました。これが後にカナダのケベック州がフランスの植民地になるきっかけとなり、現在でもカナダのフランス語圏の街であるモントリオールなどには彼の名前が残されているのはそのためでもあります。

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サン・マロの城壁にあるジャック・カルティエ像

サン・マロからカナダに旅立ったのはカルティエだけではありません。サン・マロは16世紀から17世紀にかけては、カナダの東海岸にあるニューファンドランド島沖に向けて多くの漁船が旅立っていきました。当時、ニューファンドランド島沖はタラの漁場として知られていました。

サン・マロは遠洋漁業の漁港として、毎年40から80の漁船が出航し、数ヶ月後には大量のタラを積んで帰港していました。18世紀になってもこの流れは続き、漁港としてのサン・マロの商業的かつ経済的な成功は街の繁栄と人口の増加に大きく寄与しました。

サン・マロの海を語る時にもう一つ忘れてはならないのが、コルセール(Corsaire)。サン・マロの今の街並みはコルセールの築いた富によって作られたからです。

コルセールとは、国が戦争状態に入った時に参加し、敵軍を攻撃することができる私兵のこと。敵船から金銀や宝物、商材などを合法的に「押収」することが許されており、そこから得た富は街の発展に大きく寄与しました。18世紀にフランスでその名声を確立した街は、やがて「コルセールの巣」と呼ばれるようになりました。

ちなみに、勘違いしやすいのですが彼らは海賊ではありません。特にサン・マロの住民はこのニュアンスに敏感なのでご注意を!

サンマロガイドツアー

新鮮な海鮮料理を食べられるグルメの街サン・マロ

サン・マロは知的好奇心はもちろん食欲を満たすのにも苦労はしません。ブルターニュ地方の海岸沿いの街がフランス人のバカンス地として人気なのは、夏になるとリッチな気分に浸るために新鮮な魚介類を食べたいという気持ちからなのかもしれません。

夏に旬を迎える有名なブショーのムール貝だけでなく、サン・マロのレストランでは貝類、カニ、海老、牡蠣、魚など豊富な海の幸が揃います。シーフード好きの方にもきっと満足して頂けると思います。

もちろん、ブルターニュ地方の名物のガレットやクレープの店も多くあります。また、サン・マロの名物とも言えるボルディエのバターを使った料理も食べたいところですね。

街の旧市街には多くのレストランがあり、夜遅くまで賑わいを見せます。色々と魅力的な選択肢がありすぎて、何を食べるか迷ってしまうのがこの街の問題点でしょうか(笑)

ブルターニュに来たらサン・マロへ!

素晴らしい景色、海のロマン溢れる歴史、枚挙にいとまがないグルメの数々。裕福なフランス人たちが夏のバカンスを過ごすために別荘をサン・マロに持っているのも頷けます。

もし皆さんがサン・マロを訪れるなら、少なくともぜひ1泊して街の魅力を感じてみてください。

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夕焼けに染まるサン・マロの海岸

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