木骨造りの家並みの中で際立つ石の建物
ディナンは木材だけでなく石を使った建築も多くあり、木骨造りの家並みにアクセントをつけています。中でも、街の2つの歴史ある教会のサン・マロ教会(Église Saint-Malo)とサン・ソヴール・バジリカ聖堂(Basilique Saint-Sauveur)は見逃せません。特に後者のファサード(建物の正面部分)の下部は12世紀の建築当初の外観をそのまま保っています。ディナン旧市街はこの2つの教会を中心に発展したということを考えれば、サン・ソヴール・バジリカ聖堂は街の歴史を一番よく知る証人とも言えます。

教会とは違った趣を見せるのが、街の中心に高くそびえる時計の塔(Tour de l’Horloge)です。元々は、15世紀に街を監視するために当時のブルターニュ伯が建築を命じたものです。その後、フランス北部の鐘楼のように教会と君主とは一線を画す市民の力を象徴として、この塔の鐘が街の時間を刻み続けました。ブルターニュではこのような鐘楼があるのはフジェール(Fougères)とここディナンだけです。46メートルの高さから街を一望できる(4月から9月のみ)ので、ここでディナン散策の最後を締めくくってはいかがでしょうか?


ディナンや周辺のサン・マロ、ディナールなどの観光情報が満載のガイドブック「神秘の島に魅せられて モン・サン・ミッシェルと近郊の街へ (イカロス出版)」好評発売中です。