ユネスコ世界遺産に指定されたノール・パ・ド・カレ地方の伝統

フランス北部のノール・パ・ド・カレ(Nord Pas-de-Calais)地方には巨人がいるって聞いたことありますか?普段はひっそりと隠れていますが、お祭りや特別なイベントの時は必ず顔を出して街を練り歩きます。その圧倒的な存在感に思わず観光客のみならず地元の人もカメラのレンズを向けてしまいます。
実はこの巨人たちは鐘楼と同様にベルギーとフランス北部、特にノール・パ・ド・カレ地方特有のもので、巨人による行進は2005年以降はユネスコの無形文化遺産に指定されています。
街の特徴を表した個性ある巨人の数々
リール、アラス、ダンケルク、ブローニュ=シュル=メールなど各都市に大きさも外見も異なる様々な巨人がいますが、最初の巨人は15世紀に産声をあげたドゥエ(Douai)の巨人ガイヨン(Gayant)だと言われています。街の英雄や歴史上の人物、動物などその姿は多様で、単体だけでなくカップルや家族、友達同士など複数の巨人グループが存在していて、現在も数は増え続けています。
近年作られた巨人は車輪がついていたりと移動に便宜を図ったものが多いですが、伝統的なものは人の力のみで動きます。頭と肩に全ての重量がかかるので相当な重さになり、一人当たりの負担は最大でなんと135kgになるそうです。
巨人が外を出歩く機会は限られていますが、お祭りの匂いを嗅ぎつけてやって来ます。ノール・パ・ド・カレ地方を訪れる際はぜひイベントをチェックして出かけてみてください。
