フランス北部の街アラスで必ず食べたい3つの名物
ルーブル・ランス別館のあるランス(Lens)から最短12分、パリからも1時間弱のところにあるパ・ド・カレ県の県庁所在地のアラス(Arras)。街の中心の世界遺産の鐘楼がそびえ立つエロ広場(Place des Héros)に来たら広場沿いに並ぶレストランやお土産店に目が行ってしまいます。今日はあまりガイドブックに載っていないアラスの名物について紹介したいと思います。
アラスのアンドゥイエット
アンドゥイエット(Andouillette)とは大きなソーセージのようなもので、フランスではリヨン(Lyon)やトロワ(Troyes)などの名物でもあります。レシピは多種多様ですが、基本的には豚の腸を使うことが多い中、アラスのアンドゥイエットは伝統的に子牛の腸間膜を使ったものが主流です。毎年8月の最終週にはアンドゥイエット祭り(la fête de l’andouillette)が行われます。エロ広場が屋外レストランなり、多くの地元の人や観光客がアラスの名物に舌鼓を打ちます。ちなみに、この祭りの時にはアラスの巨人の行進も行われます。

アラスのハート
クール・ダラス(cœur d’Arras)と呼ばれるアラスの名物の歴史はなんと中世まで遡ります。伝統的にはパン・デピス(pain d’épices)と呼ばれる香辛料を使ったクッキーとパンの合いの子のようなものですが、現在は2つの変種が存在します。一つはチョコレートでもう一つはチーズですが、いずれもハートの形をしています。チーズ版の方は熟成の際にビールを使うこともあり、同じ地方の特産品であるマロワル(Maroilles)にも似た強烈な匂いを発します。かわいいハート形に騙されると痛い目に遭うので、その点を覚悟をして味わってみてください。

アラスのネズミ
実はネズミはアラスのシンボルでもあり、特にエロ広場にはネズミを型どった装飾が多く見られます。由来は単なる言葉遊びで、アラス(Arras)の名前の中にあるrasという部分がrat(フランス語でネズミ)とかかっていることが始まりで、中世にはすでに街の公印などに使われていたようです。
ちなみに、名物のアラスのネズミことラ・ダラス(rats d’Arras)は、ネズミといっても本当のネズミではなくて、チョコレートでできたネズミです。なので、ご心配なく!