モン・サン・ミッシェル湾のムール貝で知られる港町ル・ヴィヴィエ=シュル=メール

絶品の「ムール貝のロールス・ロイス」が収穫される港を訪れて

ル・ヴィヴィエ=シュル=メールの港
ル・ヴィヴィエ=シュル=メールの港

ユネスコ世界遺産にも指定されているモン・サン・ミッシェル湾の名物といえばやはりムール貝です。湾で取れるムール貝は保護原産地呼称(Appellation d’Origine Contrôlée、略称AOC)のラベルが海産物で唯一付けられているもので、その品質の高さはフランス中で保証されています。10000から12000トンにも上る出荷量はフランス国内の生産量の約5分の1を占めています。

このモン・サン・ミッシェル湾の海の恵みの養殖基地となっているのが、ル・ヴィヴィエ=シュル=メールという小さな港町です。港の周りには上の動画のような「プレ・サレ」と呼ばれる大潮の際に海水に覆われる放牧地が広がり、沖にはモン・サン・ミッシェル湾ならではの風景でもあるブショー(bouchot)と呼ばれるムール貝を養殖するために使われる杭が並んでいます。その数は24万とも言われていて、高い所から湾を見るとその姿がはっきりと確認できます。

ル・ヴィヴィエ=シュル=メールを散策

ル・ヴィヴィエ=シュル=メールはムール貝を加工するための工場などはありますが、一見どこにでもある小さな漁村のように見えます。しかし、他にはない特徴があります。まずは何と言ってもヨーロッパでも最大の潮汐の規模を誇るモン・サン・ミッシェル湾にあるということです。つまり、満潮と干潮で周りの景色は一変してしまうのです。数時間前までは海だったところが陸になる、あるいはその反対もよく起きるので、ここで仕事をする人にとって潮位表は欠かせません。

ル・ヴィヴィエ=シュル=メールの水陸両用の船

とはいえ、潮の満ち引きに左右されていては安定してムール貝を収穫することはできないので、ここル・ヴィヴィエ=シュル=メールには上の写真のような水陸両用の船があります。一見するとただの船のようですが、船の下部には車輪があります。そのおかげで干潮になっても陸を走ることができるのです。

「ムール貝のロールス・ロイス」ことモリソーのムール貝

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モリソーのムール貝

ル・ヴィヴィエ=シュル=メールならではと言えるもう一つの特徴は、モン・サン・ミッシェル湾のムール貝の中でも最高級とされるモリソー(Morisseau)のムール貝を収穫しているということです。カンカルのとある星付きの一流シェフも愛用しているというモリソーのムール貝はその美味しさから高級車になぞらえて「ムール貝のロールス・ロイス」とも呼ばれるほどです(下の動画はムール貝の収穫と稚貝を杭に設置する様子です)。

厳格な品質管理をされているモン・サン・ミッシェル湾産のムール貝の中でも、エリートであるモリソーのムール貝の秘密は何でしょうか?まずはその大きさで、選別の段階で小さめのムール貝は全て除外されます。そして、中身が全体の重さの30パーセントを占めており、普通のムール貝よりも高い比率となっています。つまり、せっかく調理したのに中身がほとんどなかったということがありません。

実は、モリソーのムール貝はどこの店でも買えません。なぜなら生産者から直接販売店に卸されているからです。そのため鮮度も保証されています。値段の面から言うと、普通のモン・サン・ミッシェル湾産のムール貝よりも少し高めですが、一度食べてみると味の差は明らかです。ムール貝が好きでブルターニュ地方で食べ歩きをしている著者ですが、このモリソーのムール貝の美味しさは別格だと断言できます。

ブルターニュ地方の美味しいムール貝が食べられるレストランの見つけ方

モン・サン・ミッシェル湾の自然の恵みを知って味わおう!

ル・ヴィヴィエ=シュル=メールのレストラン

せっかくル・ヴィヴィエ=シュル=メールに来たからにはムール貝を食べて帰りたいですよね?街にはいくつかの魚介類を提供するレストランがあり、新鮮なムール貝や牡蠣などをモン・サン・ミッシェル湾の美しい景色とともに楽しめます。夏は混雑しているので、早い時間帯に行くか、予約をした方が良いと思います。

また、2月から11月にかけてはラ・メゾン・ド・ラ・べ(La maison de la baie)と呼ばれる情報センターが営業していて、モン・サン・ミッシェル湾の自然について詳しく知ることができます。また、下の写真のようなバスに乗ってムール貝の養殖場の見学するツアーも催行されています(詳しい情報は下記のリンクからどうぞ)。

La Maison de la Baie “Centre de Découverte de la Baie”(フランス語)

ル・ヴィヴィエ=シュル=メールのムール貝養殖場見学ツアー

ル・ヴィヴィエ=シュル=メールはまさにモン・サン・ミッシェル湾の自然の恵みであるムール貝を見て、知って、味わえるそんな場所です。ガイドブックには載っていないこんな小さな港町にこそ、ユネスコ世界遺産のモン・サン・ミッシェル湾の魅力がより感じられるのではないでしょうか。

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