シャトーホテルだけじゃない!フランスの歴史的建造物に泊まってみよう

スダンの城塞を改装した3つ星ホテル

フランス北東部の街スダンは1870年に普仏戦争において戦場となった街です。当時のフランス皇帝であり軍の最高司令官であるナポレオン3世がスダンでプロイセンの捕虜となり、その結果、普仏戦争におけるフランスの敗北と第二帝政の終焉を迎えることとなりました。

そのスダンの街で圧倒的な存在感を放っているのがスダン城(château de Sedan)です。城、つまりフランス語でシャトー(château)というよりは城塞(forteresse)という方がスダン城はしっくり来ます。高い城壁や壁から突き出た半円状の塔などは中世の防衛システムそのものです。その原型は15世紀前半に建てられ、ルイ13世の治世のフランスによって1641年に併合されるまで独立国としてのスダン公国の象徴でもありました。

1965年に重要文化財に指定されたこのスダン城ですが、スダン市は維持や修復をするための費用の捻出に苦労していました。そこで手を差し伸べたのがホテル事業の実業家であるオリヴィエ・グリオ(Olivier Gourio)でした。ヨーロッパの援助を受けて約600万ユーロ(日本円で約7億4600万円)かかる城壁の修復を請け負い、かつ60年間の賃貸契約書にサインすることを条件に、市はスダン城のホテルとしての利用を許可しました(契約の最後には元の状態に戻すことが前提です)。2004年に始めたこの「城塞ホテル」事業は成功し、今ではグリオ氏はこのような修復が必要な歴史的建造物を次々とホテルとして蘇らせています。

ルーヴル・ランスを満喫!かつての炭鉱夫の住居を改装した4つ星ホテル

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かつての炭鉱夫の住宅

最後はルーヴル美術館別館で知られるアラスと同じオー・ド・フランス地域圏にあるランス(Lens)です。ランスはかつて炭鉱の町として知られ、多くの炭鉱夫が住み込みで働いていました。炭鉱の近くには集合住宅が作られ、炭鉱が閉山となった今でもこれらの建物はかつてのまま残されています。

炭鉱の閉山によって地元の経済の再生を目指したランス市は観光にその活路を求めました。2012年のルーヴル・ランス美術館の開館、ノール・パ・ド・カレ地方の炭田地帯のユネスコ世界遺産認定などにより観光面で充実してきたランスのもう一つの課題が宿泊施設でした。そこで目をつけたのがかつての炭鉱夫の住宅でした。ルーヴル・ランスの目の前にあるという立地は申し分なく、ルーヴルが誇るコレクションを存分に楽しむことができるからです。このホテルは2018年の開業を目指して工事を進めています(下の画像が完成予想図です)。来年ルーヴル・ランスを訪問予定の方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか?