豚の丸焼きから紐解くフランス料理と食肉の歴史

フランス市民が肉をよく食べるようになったきっかけとは?

19世紀に入ると、フランス革命による絶対王政の崩壊とともに貴族階級の地位が揺らぎ始め、市民が台頭し始めます。19世紀後半になると鉄道の普及などに象徴されるイギリスを発端とした産業革命の波がフランスにも押し寄せて来ます。この産業革命こそが、フランス市民の食肉の本格的なきっかけとなります。

主な理由の一つとして挙げられるのが、トラクターの普及です。19世紀後半にイギリスでトラクターの元祖となるものが発明されると、その後改良が重ねられ、徐々にフランスでも普及し始めます。これにより、農耕のために使われていた牛などの家畜が役目を終え、食用の対象となりました。

また、産業革命により大量生産が可能になったため、食品の加工も徐々に手作業から機械化に移行していきました。こうして、食肉がより多くの市民の手に届くようになり、食肉文化がフランス全体に普及していったというわけです。

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ステーキフリット

現在では、フランスの定番料理のひとつとも言えるステーキ・フリット(ステーキにフレンチポテトを付け合わせたもの)などの牛肉料理をはじめ、豚肉、鶏肉、うさぎ、ヤギ、羊など様々な肉料理がフランスでは食べられています。

ちなみに、日本と違ってフランスではあまり霜降りの肉は好まれません。なので、ステーキは赤身で豚肉などもしゃぶしゃぶやすき焼きなどで使われる肉などはスーパーなどでは手に入りません。市民への本格的な普及という意味ではほぼ同じ時期に肉食文化が普及を始めた日本とフランスですが、こういった趣向の違いや調理方法の違いで大きな違いが出来ているのはとても興味深いですね。