パン・オ・ショコラ、それともショコラティーヌ?

フランスを二分するチョコレートパンの本当の名前は・・・

フランスのパン屋でよく見かけるのが、上の写真の中央のようなチョコレートをクロワッサン生地で包んだパン。サクサクのパンの食感と口の中で溶けるチョコレートの組み合わせは絶妙で、これがフランス旅行の楽しみの一つという人も多いのではないでしょうか。日本でも、フランスに本店があるパン屋はもちろん、フランスで修行をした職人さんの開いた店で見かけることが増えています。

ところで、このチョコレートの入ったパンの本当の名前をご存知ですか?パン・オ・ショコラ(pain au chocolat)という人もいれば、ショコラティーヌ(chocolatine)という人もいるでしょう。両方とも正解といえば正解です。というのは、このパンの呼び方はフランスでも地方によって違うからです。

場所によって異なるチョコレート入りパンの名称

このチョコレート入りのパンの起源をめぐっては諸説あります。子供のおやつのためにパンにチョコレートを入れたのが始まりとも言われていますが、特に歴史や伝統的にどこかのに地方に根ざしたものではないようです。

©Atlas du français de nos régions (Edition Armand Colin)

上のフランス地図はこのパンの呼称の分布を示したものですが、こうして見るとパン・オ・ショコラ(pain au chocolat)とショコラティーヌ(chocolatine)以外にもいくつか別の呼び方があることが分かります。フランス北部や東部ではプティ・パン・オ・ショコラ(petit pain au chocolat)やクロワッサン・オ・ショコラ(croissant au chocolat)などと呼ばれているというのは興味深いところ。

また、フランス国外に目を向けると、ベルギーの一部ではクク・オ・ショコラ(couque au chocolat)と呼ばれます。「couque」というのはオランダ語でビスケットやケーキを意味する「koek」に由来します。確かに、地図をよく見ると、フラマン語とも呼ばれるベルギー北部のオランダ語圏で使われていることが分かります。ちなみに、地図にはないですが、カナダのフランス語圏のケベック州ではショコラティーヌが使われているそうです。