修復されて蘇った銀色の輝き
修道院に修道士たちが戻った現在でも、サン・ピエール教会の鐘楼の中に設けられたチャペルに銀色のミカエルの姿が今もあります。この大天使ミカエル像は銀箔に覆われたもので、盾を構え、悪の化身であるドラゴンと戦っている騎士としての姿が表現されています。また、空に向けられた剣は、悪に対する勝利を物語っています。
サン・ピエール教会は1909年に国の歴史文化財にも指定されており、その保存には細心の注意が払われています。2004年の6月に次いで、2018年の秋からは大天使ミカエル像のあるチャペルの修復作業が始まりました。この作業は、大天使ミカエル像の他、板張りや祭壇なども対象となっています。

像に関しては、ほこりを取り、腐食して茶色くなった部分を取り除いてきれいにする作業などが約2ヶ月かけて行われました。そして、2018年12月下旬には像の修復は終わり、かつてのまばゆいばかりの銀色の輝きを取り戻し、クリスマスに合わせてお披露目されています。
ちなみに、51800ユーロ(日本円で約650万円)の予算が組まれた今回のチャペルの修復は2019年の3月まで続くそうです。費用は教会の他、自治体等によって負担されるとのことですが、それでも赤字になる見込みとのこと。サン・ピエール教会にはチャペルの側に募金箱を設置して、修復への協力を呼びかけています。もし、モン・サン・ミッシェルでサン・ピエール教会に立ち寄る機会がありましたら、ぜひ募金をして、修復に参加してみてはいかがでしょうか?


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