アルザスで食べたい名物タルト・フランベ

クリスピーな食感がたまらないアルザス版ピザ

こんにちは。フランス政府公認ガイドの濵口謙司(@tourismjaponais)です。

ストラスブールやコルマールのあるフランス東部のアルザス地方は食文化がとても豊か。なかでも今や全国区の知名度と言えるのがタルト・フランベ(Tarte flambée)。フラムキュッシュ(Flammekueche)とも呼ばれるアルザス版のピザで、アルザス地方を旅行の際にぜひ食べておきたいものの一つです。

タルト・フランベの発祥

アルザス名物タルト・フランベ

現在ではアルザス地方の名物として知られるようになったタルト・フランベですが、レストランで出されるようになったのは1960年頃。その発祥はストラスブールの北にある町Kochersbergだと言われています。

もともとタルト・フランベは農家で昔からパンを作る時に作られていました。農民たちはパンを作る時に余った生地を薄く延ばし、その上に生クリームを広げ、タマネギや細切りベーコンをのせて焼き上げていたのです。

パンを作る時にタルト・フランベを作っていた理由には、実は余った生地を使うという目的以外にもありました。それは、窯の温度が高すぎるとパンを焼くのには向いていないため、窯の温度を下げるために時間を少し置く必要があったということ。パンを焼くには適していない高温こそが生地の薄いタルト・フランベを焼き上げる適温だったわけです。

タルト・フランベの楽しみ方

タルト・フランベの形は四角や楕円など形は様々。初めて見たときは大きさにびっくりしますが、薄いピザのような感じなのでぺろりと食べられます。基本的には昔の農民たちがそうしていたように、手でつまんで食べるのが正しい食べ方だそうです。

鮭の入ったタルト・フランベ
鮭の入ったタルト・フランベ

定番はタマネギや細切りベーコンを使ったものですが、専門店やアルザスの郷土料理の店に行くと鮭やキノコなどが入った様々な種類があります。

中にはアルザス地方特産のチーズのマンステール(Munster)を使ったものも。強い匂いが特徴のチーズですが、食べてみると意外にもフルーティーな味わいでタルト・フランベにもぴったりです。アルザス地方を訪れた時にはぜひ試してみてはいかがでしょうか?