徹底検証!ブルターニュ地方は本当に雨がたくさん降るのか?

ブルターニュの雨にまつわるエトセトラをユーモアを交えて紹介します!

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ブルターニュ(Bretagne)地方にあるお土産屋さんに入ると、しばしば地元にまつわる固定観念を皮肉ったイラストを使った商品を見かけます。中でもテーマとしてよく取り上げられるのが「雨」です。一般的なフランス人にとって「ブルターニュ地方=雨が降る」の方程式がすでに成立しているからです。

ブルターニュの雨をテーマにした自虐ユーモアとは?

Camping breton

では、実際に本当に雨が降るのかを検証する前に、「ブルターニュ地方=雨が降る」というイメージを逆手に取ったユーモアたっぷりのイラストをご紹介します。上記の写真の青い缶のイラスト「Camping breton(ブルトン人のキャンプ)」は、ブルターニュでキャンプをするとテントに傘をさしてレインコートを着ることになるよ、という皮肉めいたものです。

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上の写真の紫色の缶では「La Bretagne, ça m’botte !!!(ブルターニュが気に入った!)」というテキストの下に、左から田舎専用、海専用、そして街専用のブーツが並んでいます。ブーツはフランス語でbotteといい、「ça m’botte !!!」との言葉遊びをしています。実は右端のブーツはブルターニュ地方特有の木靴を変形させたもので、実際にはブーツのような長いものは存在しないのですが、街中でもブーツを履かないといけないくらい雨が降るという自虐的なユーモアから来たものです。

また右の黄色の缶はブルターニュのナチュラリストはどんなものか?というイラストです。日本ではナチュラリストという言葉よりはヌーディストが使われています。もちろんヌーディストはビーチでレインコートは着ません(笑)

実際のところ、ブルターニュは本当にたくさん雨が降るのか?

フランス気象局(Météo-France)によると、フランスで一番年間降水量が多いのはバスク地方(1340mm)だそうです。実際のところブルターニュでも場所によって降水量は差があります。例えば、レンヌは年間降水量が694mmですが、太陽の日差しが強いイメージのフランス南部のマルセイユ(Marseille)に比べて少し多いくらいです(515mm)。とはいえ、大西洋側のフィニステール(Finistère)県は全体的に降水量が多く、ブレスト(Brest)は1210mmでブルターニュのステレオタイプを体現しています。

日照時間においても場所によってはパリと同じかそれ以上のところがあり、ブルターニュ=雨が降るとデータから一般論を結論づけるのは難しそうです。とはいえ、真実はもしかしたら重要ではなく、雨にまつわるブルターニュについての一連のジョークは、自嘲的ながらも自分たちの住む土地への愛着を示す地元愛が強いことで有名なブルトン人ならではのものと言えるかもしれませんね。