運河で巡るコルマールの「小さなヴェニス」

アルザスの街コルマールと運河のつながり

カラフルな木骨づくりの建物が続く街並み、おいしいワインや郷土料理の数々、ぶどう畑が続く田園風景・・・ドイツとスイスの国境近くにあり、独自の文化や言語を持つのがかつてアルザス地方と呼ばれていたところです(現在はグラン・テスト地方となっています)。中でもストラスブールと並んで、その中心都市の1つとして知られるのがコルマール(Colmar)です。

中世に建てられた古い建物が並ぶコルマールの旧市街ですが、その美しさをより際立たせるのが街を流れる運河。小舟の上から流れる街並みは見ごたえがあり、その一帯が「小さなヴェニス(La Petite Venise)」と呼ばれるのも頷けます。

運河が作られた理由と知られざる過去

現在の姿からは想像するのも難しいですが、実は「小さなヴェニス」と呼ばれる地区はかつては沼地があった場所でした。この一帯は野菜栽培ができるように整備されたのですが、市場に野菜を運ぶ手段が必要でした。そこで、灌漑してできたのがこの運河だったわけです。

かつて野菜栽培が行われていた一帯

この辺りにはもともと野菜栽培者やなめし皮職人、漁師などが住んでいた地区でした。しかしながら、時代の流れから取り残され、古い建物はそのまま残されたものの手入れが行き届くことはありませんでした。その当時は、皮の匂いが立ち込め、衛生状態も悪くネズミが辺りを走り回るほどだったようです。

ところが、1970年代に入ってこの地区の運命に転機が訪れます。観光開発が推し進められ、新たな姿に生まれ変わったのです。古い建物は修復され、運河も整備されました。こうして、今では国際色豊かな多くの観光客が訪れる地区となっています。

船に乗って「小さなヴェニス」を楽しむ

運河に沿って歩くこともできますが、やはり船から景色を眺めたいもの。サン・ピエール橋(Pont Saint-Pierre)のそばから出ている小さな遊覧船に乗って「小さなヴェニス」を満喫しましょう。

チケットは橋のたもとにあるレストラン「Restaurant Le Caveau Saint-Pierre」の中で買うことができます。遊覧船といっても小さな船で、船頭がガイドを務めてフランス語の他にも英語などで見える景色を解説してくれます。

遊覧船のツアーではかつて漁師たちが船をつけていた桟橋(Quai de la Poissonnerie)や19世紀に建てられた屋内市場(Marché couvert)、そしてかつて野菜栽培が行われていた地区などを通ります。歩いて見ることができない景色を見ながら、「小さなヴェニス」の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

遊覧船の運行情報(2019年3月現在)

料金:大人6ユーロ

所要時間:25分

運行時期:2月9日から12月31日まで毎日(12月24・25日、1月1日を除く)

運行時間:10時から12時、13時半から18時半(1月、2月、11月は運行時間が短くなることに注意)

夏のバカンスシーズンなど時期によっては混み合うので、余裕を持って現地に行くことをおすすめします。

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