モン・サン・ミッシェル修道院の期間限定の2つのイベントをご紹介
6月末あたりからモン・サン・ミッシェル修道院には中世の雰囲気とは違う展示物が次々と搬入されていました。何を始めるんだろう?と不思議に思っていましたが、これには7月から始まる2つのイベントが関係していました。
パリのポンピドゥ・センターとのコラボレーション

今年2017年は現代アートの美術館としても知られるパリのポンピドゥ・センター(Centre national d’art et de culture Georges-Pompidou)が創立70周年を迎えています。それに伴い、豊富な収蔵品の一部をフランス国内の40の施設にて展示しています。その一つに選ばれたのがモン・サン・ミッシェル修道院で、フランスの現代彫刻家ジェルメーヌ・リシエ(Germaine Richier)(1902ー1959)の作品を鑑賞できます。

展覧会のタイトルでもある「l’Ouragane(ハリケーン)」という異名を持っていた彼女は、モナリザのような穏やかな笑顔の裏に爆発しそうな感情を持っていたそうです。モンペリエの美術学校で古典的な美術を学んだ第二次世界大戦の勃発を機にその彫刻スタイルを一変させます。人間と動物を融合させたような彫刻を通してほとばしる感情を表現するようになりました。そして、1950年代に入ってから彼女はその生涯を終えるまで、抽象的になることを厭わず、自らの表現を追求し続けました。
今回の展覧会では彼女の作品をモン・サン・ミッシェル修道院の西のテラスをはじめ、いくつかの部屋で鑑賞することができます。ちなみに、展覧会は11月12日までで料金は修道院の入場料に含まれています。
この夏限定の詩的な夜の修道院拝観

7月に始まるもう一つのイベントは修道院の夜間拝観です。去年に引き続き行われるこの夏限定の見学コースでは、修道院の尖塔によく止まっているハヤブサの足跡を辿って、ライトアップされた夜の修道院を歩きます。昼間とは違う顔を見せる中世の建築と詩的な演出があなたを想像上の世界に誘います(上下の写真は準備中のものです)。
この夜間拝観は7月11日から8月26日まで日曜を除いた毎晩19時30分から0時まで(最終入場23時)で、通常入場料は10ユーロで、昼間の拝観と合わせた2日間のチケットは15ユーロで予約なしで購入ができます。この夏モン・サン・ミッシェルを訪れる方はぜひ普段は見られない夜の修道院を見学してみてはいかがでしょうか?

※本記事は2017年の夜間拝観についてです。2018年の夜間拝観については下記の記事をご覧ください。