レンヌっ子が幼少期から食べて育つ地元の名物
こんにちは。フランス政府公認ガイドの濵口謙司(@tourismjaponais)です。
ガレット・ソシス(galette-saucisse)という食べ物聞いたことありますか?
ガレット・ソシスとは、ガレットの発祥地のブルターニュ地方で生まれた料理です。
ガレット(そば粉で作ったクレープ)にソーセージを包んだシンプルなストリートフードで、パリからのブルターニュ地方への玄関口にあるレンヌ(Rennes)やサン・マロ(Saint-Malo)をはじめとするイル・エ・ヴィレーヌ県(Îlle-et-Villaine)でしか食べられないものです。
ブルターニュ版ホットドッグ
ガレット・ソシスの作り方はいたってシンプルで、冷たいあるいは常温のガレットで焼いたソーセージで包むだけです。空腹の時はガレットを2枚にすることもできます。
ガレットというとレストランでフォークやナイフなどを使って食べるイメージですが、上の写真のように基本的には手で持ってかぶりつくスタイルです。まさにブルターニュ版ホットドッグといったところでしょうか。
ただ、食べ方としては基本的に自家製のマスタードをつけるのは問題ありませんが、ケチャップやマヨネーズは地元の人に言わせると邪道だとのことです。
このストリートフードの歴史は19世紀末に遡ります。ジャーナリストでガレット・ソシスの専門家でもあるバンジャマン・ケルツ(Benjamin Keltz)によると、すでにガレットは15世紀以来ブルトン人(ブルターニュの住民)の日常で食べるパンのようなものだったとのこと。
19世紀までは庶民にとって肉を食べるものというよりはむしろ売るためのものでした。なので、おそらく豚をさばいた際に残る内臓を別にとっておいてガレットに巻いて食べたのが始まりだったのではないかと考えられています。
その後、20世紀にはその安さと手軽さが人々の間で評判になり、特にレンヌのサッカーチームのスタッド・レンヌ(Stade Rennais)の試合の前後に食べられるようになり、やがて人が多く集まるイベントには欠かせないものとなったのです。
ガレット・ソシスはどこで食べられる?

さて、読者の皆さんが一番知りたいのはおそらくどこでガレット・ソシスを食べられるのかということでしょう。レストランでは出しているところがかなり少ない、屋台を探す必要があります。
レンヌのスタジアムのサッカースタジアムはもちろん、まれですがパン屋などでも売っていることがあります。しかし、中でも一番オススメなのは土曜日に開かれるリス広場(Place des Lices)の市場の屋台です。
レンヌ内外から多くの人が訪れるレンヌ最古で最大の市場は見所がたくさんありますが、何と言ってもガレット・ソシスの屋台を目当てにリス広場を訪れる人も多いです。
その評判と味については、いくつかある屋台の前にできる長い列からも明らかです。12時半を過ぎたくらいからお腹を空かせた人が大挙してやって来るので、少し早めに並ぶのがオススメです。長く並んで売り切れになるのは悲しいですからね。
では、最後にガレット・ソシスの歌を聞いて彼らのガレット・ソシスへの愛着を感じてみてください。