トゥールのサン・ガシアン大聖堂で振り返るフランスのステンドグラスの歴史

ファサード(正面部分)

ルネッサンスの香りのする大聖堂

サン・ガシアン大聖堂
ファサード(正面部分)

ガロ・ローマ時代の遺跡のあった場所に建てられたサン・ガシアン大聖堂(Cathédrale Saint-Gatien)は1160年から約400年の年月をかけて建てられました。

大聖堂の前に立つと、まず曲線が多く使った燃え盛る炎のようなモチーフが特徴的なゴシック・フランボワイアン(gothique flamboyant)様式の15世紀に作られたファサード(建物の正面部分)の迫力に圧倒されます。視線を上に向けると70メートルの高さの2つの塔が目を引きます。頂上部分に王冠のようなものが見えますが、これは16世紀の初めに加えられたものでイタリアから入って来たルネッサンス様式のものです。建物の正面だけ見ても時代の流れを感じることができます。

サン・ガシアン大聖堂
外陣から見る内陣

フランス指折りの美しさのステンドグラス

祭壇のある内陣には13世紀から16世紀までの鮮やかなステンドグラスはフランスでも屈指の美しさで、中世から近世までの当時の技術や様式の変遷を見て取れます。それと対をなすように2013年からは聖マルティヌス(Saint Martin de Tours)をテーマにした現代的なステンドグラスがお目見えしました。ここトゥールは聖マルティヌスの巡礼地でもあるからです。

トゥールは現代アートへの造形が大変深い街でもあり、こうした試みはアートの街のトゥールならではと言えるかもしれませんね。

サン・ガシアン大聖堂
内陣のステンドグラス
サン・ガシアン聖堂
聖マルティヌスをテーマに2013年に設置されたステンドグラス