パリから1時間半で行けるブルターニュ地方レンヌの見どころ

ここだけは見ておきたいレンヌのおすすめ観光スポットをご紹介!

こんにちは。フランス政府公認ガイドの濵口謙司(@tourismjaponais)です。

今回ご紹介するのはブルターニュ地方のレンヌという街です。パリから西に電車に揺られること約1時間半、大西洋に注ぐヴィレーヌ川とその支流のイル川の支流の交差する場所に位置する街です。

モン・サン・ミッシェルへの経由地として名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

レンヌは芸術と歴史の町(ville d’art et d’histoire)にも指定されていることからも分かるように、歴史ある文化遺産が多く、ブルターニュの首都に値するだけの見どころがたくさん!

レンヌを観光する際にぜひ押さえておきたいおすすめスポットをご紹介します。

目次

  1. 木と石が織りなす異なる建築様式のコントラスト
  2. 旧市街から少し足をのばして・・・
  3. ブルターニュ観光の起点として
  4. パリからレンヌへの行き方

2018年11月26日更新

1. 木と石が織りなす異なる建築様式のコントラスト

木骨づくりの家並みが続く旧市街

レンヌといえばまず外せないのは木骨造りとも呼ばれる木組みの家の街並みです。この類ではブルターニュ地方で最も多くの家が保存されていて、その数はなんと286にのぼります。

旧市街には昔ながらの古い建物が並ぶことから、訪れた人たちの多くは「レンヌは中世の街」だと思いがちですが、実はその多くは15世紀から18世紀に建てられたもの。

とはいえ、中世から受け継がれた建築の伝統が脈々と受け継がれています。それぞれの建物が異なる色や形をしており、それぞれが個性を発揮しつつも全体として調和した街並みを形成しています。

道が狭い旧市街は関係者を除いては車両進入禁止となっているので、車を気にせずに歩けるのもうれしいところです。

ブルターニュ高等法院と市役所庁舎の広場

木組みの古い家並みと対比するように、パリのリュクサンブール宮殿の建築家でもあるサロモン・ド・ブロスが建てたブルターニュ高等法院(Parlement de Bretagne)のある広場の周りや、ヴィレーヌ川沿いには1720年の大火の後に建てられた石で作られた建物が並んでいます。

この新しい街並みは当時のフランス王のお抱えの建築家、ジャック・ガブリエル(Jacques Gabriel)によって設計されたもの。

上述の木骨造りの街並みで構成される旧市街が入り組んだ道になっているのに対し、この石で作られた建物のある区域は碁盤の目のように道が並んでいます。旧市街と新しい街を続けて歩くと、なんだかタイムスリップしたような気分になります。

ブルターニュ高等法院

ブルターニュ高等法院から少し歩いたところには市役所(Hôtel de ville)とイタリア式の劇場のある市役所広場(Place de la mairie)があります。市役所広場は高等法院のある広場と並んで街で一番美しいものの一つです。

18世紀に建てられたこの市役所庁舎は、前述のジャック・ガブリエルの設計によるもので、当時のフランスの美意識を建築で体現しています。もちろん現在も役所としての機能を果たしていて、土曜日には結婚式のため多くの新婚カップルが建物の前で記念撮影をする姿を見ることができます。

レンヌ市役所庁舎

旧市街にそびえるサン・ピエール大聖堂

旧市街の中でも圧倒的な存在感を放つサン・ピエール大聖堂(Cathédrale Saint-Pierre)を見逃せません。かつては歴代のブルターニュ大公の戴冠式が行われた由緒ある建物で、ブルターニュにおいてレンヌが重要な位置を占める理由となった場所です。

サン・ピエール大聖堂の内部

中に入ると、重厚な2つの鐘塔が織りなす左右対称のシルエットのなファサード(正面部分)からは想像できない眩いばかりの装飾の数々に目を奪われます。ローマでよく見られる教会内部の佇まいはまるで古代ギリシャやローマの神殿のようで、フランスの教会や大聖堂ではあまり見られないものです。

レンヌのガイドツアーはこちらから

2. 旧市街から少し足をのばして・・・

タボール公園など美しい公園の数々

もし時間的に余裕があるなら、旧市街から外に出て少し歩いたところにあるタボール公園(Parc du Thabor)もぜひ訪れてみてください。レンヌ市民の憩いの場でもあるこの公園はかつては修道院の敷地でしたが、現在は自由に散歩ができるようになっています。フランスでも指折りの美しさとも言われるこの公園でピクニックをするのも良いですね。

タボール公園

タボール公園から徒歩数分のところには、こちらもかつては修道院の建物だったサン・ジョルジュ宮殿(Palais Saint-Georges)があります。

1670年に建てられたこの建物の前にはよく手入れされた庭園があり、四季折々の花々が街に彩りを与えてくれます。夜はライトアップされ、幻想的な雰囲気を味わえます。ガイドブックにはあまり紹介されない場所ですが、ぜひ足を伸ばして見てください。

3. ブルターニュ観光の起点として

また、サン=マロ(Saint-Malo)、サン・ブリユー(Saint-Brieuc)、ディナン(Dinan)などのブルターニュ地方の町への電車やバスも出ており、レンヌを起点に日帰り観光するのに最適な街です。

加えてモン・サン・ミシェルへもバスで1時間ほどで行くことができます。2017年夏からは高速鉄道TGVでパリから1時間半に所要時間が短縮されたことから、今後はレンヌはフランス観光の定番になっていくことでしょう。

4. パリからレンヌへの行き方

パリ・モンパルナス駅から高速鉄道TGV(日本の新幹線に相当)で約1時間半、レンヌ駅(Gare de Rennesで下車)。

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