ブルターニュの春の味覚、プルガステル産のイチゴ

運命でつながるフレジエ家とイチゴ

アメデ・フランソワ・フレジエ

歴史の綾というのは不思議なもので、フレジエ(Frézier)という名前はイチゴと運命的につながってます。家系図を遡ると、西フランク王シャルル3世の宴で起きたあるエピソードにその名前が由来していることが分かります。

現在のベルギーにあるアントワープで916年に行われたこの宴に参加していたアメデ・フランソワ・フレジエの祖先のジュリウス・ド・ベリー(Julius de Berry)は、食事の終わりにシャルル3世に野イチゴを献上したそうです。これに大いに感激した王は、ジュリウスに「Fraise」の名を授けました。これは現代のフランス語では「イチゴ」を意味します。

一家はその後イングランドに移住し、FraiseからFrazerとなり、再びフランスに戻ってきた時に、Frézierとなったのです。偶然なのか、あるいは運命なのかは分かりませんが、フレジエ家はイチゴととても深い関係があることだけは確かです。

プルガステルのイチゴの成功

プルガステルとブレストは海を隔てて目と鼻の先に位置しています。プルガステルでこの南米産のイチゴが育てられるようになったのは、プルガステル出身の看護師がブレストの植物園でイチゴを見つけた時にそれをくすねて、自分の家に植えたためとも言われています(これも諸説あり)。

チリ産のイチゴの栽培にはブルターニュ、そしてプルガステルの気候にぴったりだったようで、その後交配を重ねて品種改良が進められました。1940年代には黄金時代を迎え、フランスのイチゴの総生産量の約4分の1を占めるほどだったようです。大きくて甘く、香りが豊かなプルガステルのイチゴがフランス中を虜にしたのは驚きではないでしょう。

プルガステルのイチゴを使ったジャム

春の終わりから初夏にかけてフランス、あるいはブルターニュを訪れたらぜひプルガステルのイチゴを探してみてください。マルシェやスーパーなどはもちろんですが、パティスリーなどをのぞいてみると美味しいイチゴを使ったケーキに出会えるかもしれません。旬の時期に来れない方もプルガステルのイチゴを使ったジャムなどもあります。

プルガステルのイチゴを食べると、その甘い味覚と香りが海や時代を超えてブルターニュへの旅へと誘ってくれること間違いなしです。

広告