フレンチポテトは本当にフランス生まれ?

どうしてフレンチポテトと呼ばれるのか?

細長く切って油で揚げたじゃがいも料理のことをあなたは何と呼びますか?

フライドポテト?それとも、フレンチポテト?

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フレンチポテト(便宜上この記事ではフレンチポテトで統一します)を食べられる場所といえばハンバーガーを販売するファーストフードチェーンです。各チェーンの公式ホームページによるとロッテリア(フレンチフライポテト)、バーガーキング(フレンチフライ)、モスバーガー(フレンチフライポテト)とフレンチのついた後者を採用しています。

一方、日本マクドナルドはマックフライポテトと名付け独自路線を歩んでいます。面白いのが、本家アメリカのマクドナルドでは北米で一般的な呼び方のFrench Friesが使われています。フライドポテトは和製英語なので、当たり前といえば当たり前なのかもしれません。

その他、ポテトフライなど別の呼び方もありますが、こうしてみると英語に合わせてフレンチフライポテトに統一する方向にあるのかもしれません。

なぜフレンチ(French)、つまりフランスなのか?

フレンチと呼ばれるからにはフランスと何か関係があるのでしょうか?これには色々な説がありますが、一つの通説としては第一次世界大戦中にフランス語圏のベルギー人がフレンチポテトを作っているのを見たアメリカ人兵が彼をフランス料理と勘違いしてFrench Friesと名付けたのではないかと言われています。

フランス語ではフリット(frites)と呼ばれるフレンチポテトはベルギーでは国民食の一つでもあります。フランス北東部を水源としベルギーを流れるマース川流域の村人はよく魚のフライを食べていました。しかし、冬になると川が凍結し魚が獲れなくなるので、代わりにじゃがいもを揚げて食べていたのがフレンチポテトの始まりだそうです。そしてアメリカ人がアメリカに持ち帰り、日本に伝わったのではないかと。

しかし、隣国のフランスに言わせると、ベルギー人の誇りでもあるフリットとの発祥は自分の国にあると主張するのです。

フレンチポテトはフランスのあの場所の発祥?

フレンチポテトはベルギーのものだと主張するのに対し、フランスは自らの説を曲げません。専門家によるとフレンチポテトが最初に出現したのはなんと花の都パリでした。

舞台は1789年のフランス革命後のパリ。セーヌ川にかかるパリで現存する最も古い橋でもあるポン・ヌフ(Pont neuf)の上で、焼いた栗などと一緒にこんがりと焼いたじゃがいもの切れ端を売っていたそうです。さらに、1794年にはパリで出版されたメリゴ夫人(Mme Mérigot)によるフランス料理の本にはフレンチポテトの作り方が詳細に説明されていました。